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アメリカの会計をどうみるか?

Writer's picture: Sumiko GlennSumiko Glenn

合衆国大統領選挙も、いよいよあと半月と間近に迫ってきましたが、皆さん、合衆国の税金は、どの様に使われているかご存じでしょうか?国税局の情報源より得た情報から、合衆国の収入と経費(予算)をここにお見せしたいと思います。これは会計年度2018年度の情報です。2019年度会計年度の情報は、来年1月、2020年度所得税申告書の解説書上に発表される予定です。


アメリカ合衆国の収入源 (3,330兆ドル)

1)個人所得税からの収入 (41%)

2)社会保障税、Medicare税、失業保険2)職金税等からの収入 (28%)

3)予算不足分を補う為の借金 (19%)

4)タバコやガソリン等のexcise tax特別消費税 収入(7%)

5)法人税からの収入 (5%)


アメリカ合衆国の支出項目 (4,206兆ドル)

1)社会保障年金、Medicare経費、 障害年金など、退職金関係の支払い (41%)

2)社会福祉関係の経費 (22%)

・経済的に困難な状況にある国民の為のMedicaid、フッドスタンプ(食料援助)、社会補助プログラム等 (16%)

・国民健康に関する研究や公的補助、失業手当、ハウジング補助、その他の社会福祉の経費 (6%)

3)軍事関係、軍人福祉、国際関係経費に関する支出 (20%)

・実際の国防の軍事費(15%)

・退役軍人に対する福祉や退職金 (4%)

・国際関係や国際経済援助や、アメリカ大使館等の運営費 (1%)

4)借入金の利子支払い額 (8%)

5)農業、自然源、環境、交通運輸、教育、学生補助、商業、住宅、地域社会関係の経費 (7%)

6)法執行機関及び一般政府行政関係経費 (2%)


このような大雑把で単純な情報ですが、考えさせられる事がいくつもあります。私が気付いた点をあげてみます。


• 私達の給料から差し引かれるSocial Security やMedicare Taxからは国の予算の28%を賄っているが、実際のSocial Security BenefitsやMedicareの支出は国の予算の41%を占めるという事実。このように大きな需要と供給のバランスの崩れを見ますと、今後も予算が赤字となり続ける事でしょう。


• 予算が足らずに国が借金する額 (19%) と借金をしたがために予算に組み込まなければならない利子経費 (8%) に注目しましょう。この差は、19%から8%を引いて11%ですから、何らかの方法で国の収入を11%上げれば、この借金は必要なくなるという理屈になります。結局は国債の発行となり、アメリカの国債は外国人がどんどん購入してきていますので、将来は外国に借金の返済という状況になりかねません。ちなみに予算不足分 (deficit) は、予算マイナス収入ですから、2018年度だけでも、779憶ドルとなります。


• 確か、湾岸戦争とそれに続く中近東の戦争の時代には、総合軍事関係費が、国の予算の半分近く占めていた事があります。現在はかなり落ちて20%。そして当時の社会保障年金等の経費は、逆に現在の半分程度の割合を占めていた事を記憶しています。2018年だけをみていますが、国防費が減り、国内での国民に対する年金や福祉の方に回されていった、という動きが分かります。ただし、社会保障年金は確か蓄積と余裕があったはずですので、必ずしも2018年だけで比較するというのは正しくないかもしれませんが、このままではSocial Security BenefitやMedicareの制度は、いずれ破局を迎えるかもしれないと思いました。


• 国の収入の41%が個人所得税からの収入であるのに対し、法人税からの収入はわずか5%です。これも皆さんにとっては気になる事ではないでしょうか?まず個人所得税ですが、個人所得税の半分は国民のトップ5%の高所得者によって支払われており、私のような平均的国民が国の予算に貢献する割合は比較的低いことを認識しましょう。更に、法人税による国への収入率が低い事に関しては、貪欲な大企業が税逃れをしているかのように批判する国民が多いのですが、この低率には理由があります。一般に法人が純益を出しますと、法人税で取られてしまう上に、配当金は2重課税されますので、法人利益は資産の購入や個人へのボーナス等で故意に減少させる傾向があるためです。法人から個人への支払いは、個人所得税から納税されて還元されるので、結果的に個人所得税が国の主な収入源となるのは、致し方ないと言えるでしょう。


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