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予定納税について

Writer: Sumiko GlennSumiko Glenn

7月に入り、アリゾナの夏休みももう半分終わってしまいましたが、皆様、有意義な夏をお過ごしでしょうか?今回も、前回に引き続き、2022年度の所得税申告に向けて、今知っておくべきこと、についてお話したいと思います。

今回のトピックは、予定納税(estimated tax payments – 1040ES)についてです。


アメリカでは、法律により、一定以上の所得のある人は所得税申告をし、算出された納税額を支払うことが義務付けられています。一般的に、納税者は、1年を通して、支払うべき所得税の少なくとも90%(注1)を、源泉徴収、予定納税、追加納税、のいずれか、またはその組み合わせ、で支払う義務があります。1年を通して、源泉徴収、予定納税、追加納税のいずれも行わないまま、所得税を負っている場合には、その負っている金額に対して、所得税申告の際にペナルティー(罰金)が課されることがあります。


前回6月7日にアップしました「2022年のタックスプランニング」のブログ内でもお話しました、最近増加している委託契約(form1099)で働いていらっしゃる方々は、ブログ内でお話しましたように、ほとんどの場合、税の源泉徴収がされていません。また、自営業の方、スモールビジネスオーナーの方などは、一般的に、四半期ごとに(クオーター。毎3か月ごと)、予定納税(estimated tax payments)をする必要がある場合が多いです。


下記に、ご自身が予定納税をされる必要があるかどうか、を判断するキーポイントをいくつかまとめてみました。

• 一般的に、2022年度の所得税申告をする際に、ご自身が$1,000以上の所得税を負っている可能性がある場合は、罰金を避けるために、予定納税をした方が良い、とされています。

• 源泉徴収をしているにもかかわらず、$1,000以上負っている可能性がある場合には、予定納税ではなく、雇用主にFormW-4を提出して、お給料(W2)の源泉徴収率を増やしてもらって所得税徴収額を調整することができます。

• 源泉徴収の額が適正かどうかを確認したい方は、IRSウェブサイトにあるthe Tax Withholding Estimatorをご活用ください。リンクは、下記になります。https://www.irs.gov/individuals/tax-withholding-estimator

• ビジネスオーナー、自営業の方々に加えて、LLCなどを設立して、スモールビジネスをされているsole proprietors(お一人で事業をされている方), partners(パートナーと事業をされpartnership returnを申告している方)、 S corporation (Sコーポレーションとして事業をされている方)の方々も、ビジネスでの給料やビジネスからの収益がそのまま個人所得税 (1040) に影響を及ぼしますので、個人所得税の予定納税をする必要があります。

• Corporation(コーポレーション)の場合、一般的に、$500以上所得税を負っている場合には、予定納税をする必要があります。コーポレーションの予定納税は、個人所得税のようなチョイスではなく、義務であり、予定納税額は計算式に合わせた正式な額を、四半期ごとに払い込まなければなりません。コーポレーション納税に関する罰金は厳しいので、締め切り日までに四半期用経理が終了していない場合には、多めに見積もって支払う事をお勧めいたします。また、コーポレーションの最終(第4)四半期予定納税締め切り日は12月15日で、個人所得税より一か月早いので、忘れない事が大切です。コーポレーションの場合には、こうした厳格な決まりがある為、予定納税を支払い過ぎた場合には、翌年の所得税申告による還付を待たず、第4四半期予定納税締め切り日までに、納税額の一部を返却要請する事ができる、という特典があります。

• 単なる所得税の支払いだけでなく、納税者は、自営税(self-employment tax)その他の個人所得税上に加算される税金も、予定納税によって支払うことをお勧めします。特に収入の高い方は、Alternative Minimum Tax、Additional Medicare Tax、Net Investment Income Tax などの付加税 (総合収入が$200K程度から可能性あり) がかかる可能性がありますので、必ずそちらも計算をして、納税額を見積もりましょう。

• 予定納税は、四半期(クオーター。毎3か月)ごとの支払いとなります。2022年度の支払い納期ですが、第一と第二の四半期納税締め切り(通常4月15日と6月15日)はもう過ぎてしまいましたので、あとは、2022年9月15日と2023年1月17日の2回を残すのみとなります。

• 所得税を期日(通常4月15日)までに申告できなかった場合には、延期申告をしますが、その際にも追加納税をする事ができますので、納税額の見積もりは必ずしましょう。

• 個人所得税の予定納税に関する詳しい情報は、こちらをご参照ください。https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/f1040es.pdf

• Corporation(コーポレーション)の予定納税に関する詳しい情報は、こちらをご参照ください。https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/i1120w.pdf


(注1)納税額不足に関する罰金を防ぐ為には、申告時の納税支払い額が$1,000以下である事ですが、そうでない場合には、通常は所得税年度 (2022年度) の所得税額の90%を納税しておくか、或いは前年度 (2021年度) の所得税額の100%のどちらか低い方の額を納税しておく必要があります。ただし、収入が高い(年間Adjusted Gross Incomeが150K以上、夫婦別個申告の場合には$75K以上)場合には、前年度の所得税額の110%を納税する必要がありますので、十分気を付けましょう。通常、現在の年の所得税額の確定は困難ですので、前年度所得税額の100%または110%(高収入者)を目安に計算する方が安全です。


最後に一言ですが、予定納税は、アリゾナ州の州所得税に関しても、支払い義務があります。そして多くの他の州にも、似たような州税予定納税の法律がありますので、国税を見積もるにあたって、必ず州税も見積もり、納税しておくように心がけましょう。



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